初めましてOcean Leatherの工場長(自称)の坂本です。
今日からブログでフィッシュレザーのあんなことやこんなことを発信していきたいと思いますので皆様が少しでも興味を持ってくれればと思います。
ブログ公開記念1投稿目という事で、まずは「フィッシュレザーってなんだよ」って思ってる方の為にフィッシュレザーを簡単に説明していきたいと思います。
フィッシュレザーとは
そのまま名前通り魚の革なんですね。
魚の皮を鞣してできるのがフィッシュレザーです。
「魚の革なんて見たことない」って方は多いかと思われますが、古くからアイヌ民族が鮭の皮で靴(ケリ)や衣装を作ってたという話は皆さんも少しお聞きになった事があるかと思われます。
その他、フィッシュレザーではないんですが日本で有名なのはサメ革(シャークスキン)やエイ革(スティングレー)などなど・・・
しかし、近年では鮭の革なんてフィッシュレザーなんてほぼ見たことないかと思われます。
Fish Leather Brand Ocean Leather
そんな日本国内で需要があるのか無いのかわからないフィッシュレザーを製造しているタンナーが高知県にあるんです。
簡単に言えば頭のおかしい集団ですね・・・
皆さんに興味を持っていただくために少し説明させて下さい。
・2021年4月 Fish Leather Brand Ocean Leather 創業(2024年4月現在4年目)
・2023年11月 フィッシュレザー製造工場兼自社製品販売店舗 竣工
・
・
・2024年4月 新生 Ocean Leather 始動
Ocean Leatherで製造している主な魚種
・マダイ(英名 Sea Bream)
・ブリ(英名 Japanese amberjack)
・サーモン(英名 Salmon)
・シイラ(英名 Mahi mahi)
・チョウザメ(英名 Sturgeon)
・その他(現在50種以上製造)
簡単な説明ですが、これからのブログで情報を小出しにして皆様が飽きないようにしていきたいと思います。もちろん気になる方はお気軽にお問い合わせください。
フィッシュレザーの強度やにおいってどうなの?
「フィッシュレザーの強度ってどうなの?」「魚臭さがあるんじゃない?」の質問がかなり多いです。
毎回展示会とかで聞かれて自分の耳にタコができるほど言ってるので、ここで皆さん勉強して少しでも私をお助けください・・・
フィッシュレザーは、厚さは平均0.6mm~0.7mm程度と確かに薄いです、基本的に漉き加工しなくてもそのままお使いいただけます。
しかし、魚の皮は繊維構造がかなり密になっており、薄くてもかなり強度があります。
牛革がフィッシュレザーと同じ厚さで同程度の強度なので、牛革と遜色ないですね。
実際に触っていただいたら分かるんですが、薄い割には厚みがある感じがします。
そこは、Ocean Leatherの技術の高さ、いや私の腕が良いんです・・・
次に、においについてですが魚臭さってあれは、脂が臭いんですよね。
フィッシュレザーの製造工程で1番最初に脱脂工程があるので、脱脂完了後は魚特有のにおいは全くありせんので、ご安心ください。その他に魚だけど「水には強くありません。」
牛革と同じ扱いだと思ってください。
フィッシュレザーの良さって何・・・
もちろんそこは「鱗模様」です。
牛革と違って魚にしかない特有の鱗模様や側線(ラテラルライン)が特徴です。
側線は、魚が泳ぐ時に水を捉える器官で人間でいうとこの神経ですね。
更にフィッシュレザーの面白い所が個体によって鱗模様の大きさが変わったり、側線が直線だったり、曲線だったりと同じように見えて少しずつ違って「唯一無二」というと聞こえがいいので営業トークでするのですが、実際そうなんです。
良さばっかり言うとガッカリされても困るので、デメリットもお話しさせてください。
デメリットと言えば、「サイズ」です・・・
やはり牛革と比べると負けてしまい、革製品でもフィッシュレザーの1枚革で作るとなる革小物に限られて来ます。
もちろん接ぐことでシート状や大きなものに使用できますが、枚数が必要になってきます。
以上が、フィッシュレザーの良さですが、伝わりましたでしょうか?
フィッシュレザーってどうやって使うんですか?
先程から、ちょこちょこ言ってるんですが、牛革と同じようにお使いいただけます。裁断・縫製・コバ仕上げ等は、特別な処方は特にないです。
やはり、薄さはありますので、用途によって芯材を入れて厚みを出すことをお勧めします。
フィッシュレザーの床面は、床面処理剤で処理してもいいですし、Ocean Leatherでは基本的に牛革と合わせて製品を作っています。
フィッシュレザー製品も自社で作っているので、これからブログで使い方や作品例を載せていこうと思ってるので、ぜひご覧ください。
次回からは、フィッシュレザーの製造工程をご紹介しようと思っています。
業界用語や知らない言葉がいっぱいあるかと思われますが、できるだけ分かりやすく書くのでお楽しみにお待ちください。
Comments